活用事例
京都府京都市立大淀中学校
- 2年
- 技術・家庭科(家庭分野)
- 教科単元名:「消費生活と環境」
学習のねらい
水の循環とエネルギーについて学ぶことにより、水が生活(命)に不可欠なもので、地球環境に大きな影響を及ぼすことを知り、水の使い方を考える力を身につけたい。使った水がどのように処理・再生されているかなど、普段目にすることがない下水道・下水処理場の役割と必要性を実感させたい。生徒の興味・関心を高め、自分の生活とのつながりをイメージしやすくするために、手作り教材(絵本・カード)を製作、活用することにより、自分自身の生活問題として捉えさせたい。
実施内容
- ○指導者手作り絵本を考え、製作した。
『Water大作戦 ~水恵ちゃんの旅~』
家庭や学校、工場等で何不自由なく使っている水は、どこで作られ、どのように巡っているのだろうか。ダムや湖、ため池などから上水道へ、そして家庭や学校、工場などに送られ、使い終われば汚水として下水処理場に集められ処理されるという水の循環を学ぶ。 - 『がんばる下水道くん』
下水道がなければ私たちの生活はどうなるか、衛生面の問題だけでなく、洪水・水害の増加にもつながる。私たちの生活に上水道が必要なように、下水道の役割は大きい。下水道は普段は見えにくいが地面の下の力持ちであることを学ぶ。 - 『下水道くん 協力隊結成』
下水道施設がその機能を十分に発揮できるよう、そして環境を守るために私たちにできることを考え、下水道を正しく使うことの大切さを学ぶ。
- 講義概要①
指導者の手作り絵本教材『Water 大作戦 水恵ちゃんの旅』を読み聞かせし、上水道・下水道の仕組みと水の循環過程を理解し、その過程には多くの電気エネルギーが必要であり、水の循環と電気エネルギーとのつながりを学習した。 - 講義概要②
指導者の手作り絵本教材『がんばる下水道くん』『下水道くん 協力隊結成!!』を読み聞かせし、快適に生活するためには、汚水や雨水もきちんと処理する必要があり、そのために必要な下水道・下水処理場の役割や必要性等を理解する。『上下水道に関するかるた』を活用し、上下水道の役割等を再確認し、下水道に関する「標語」を考え、クラス全体で共有する。
学習の効果
- 下水道について学んだことにより、物事には目には見えにくい、表には表れにくい事象があることに気付き、深く学ぶことの大切さを知った。
- 下水道のみならず、私たちの生活に欠くことのできないものや行動について、視野を広めて学ぼうとする意識が芽生えた。
助成金の使途
- ・手作り教材(絵本・カード教材)の製作 インクカートリッジ 24,189円
- ・手作り教材(絵本・カード教材)の製作 ブッカー 20,370円
- ・手作り教材(絵本・カード教材)の製作 色画用紙 4つ切 15,000円
長崎県対馬市立仁田小学校
- 4年
- 特別活動(クラブ活動)
- 教科単元名:「仁田川は清流か-市民科学の視点から調べよう-」
学習のねらい
二級河川の仁田川、仁田川水系飼所川において、小学生が水質調査及び水生生物調査を行うことにより、仁田川が清流かを明らかにする。また、小学生が地域の大人に昔の仁田川の様子を聞き取り調査し、現在の河川の様子と比較する。さらに、調査した結果をまとめて、対馬学フォーラムで発表する。
実施内容
- ・本実践を行ったクラブは「ダムダムリバークラブ」と称し、参加者は第4学年4名、第5学年5名、第6学年3名の全12名である。小学生の中で、水質調査の経験者は4名だった。今年度までに、生活科及び総合的な学習の時間において、仁田川でハゼ類を捕漁網で採ったり、釣ったりした経験を有していた。
- ・4月、コロナ拡大が懸念され学校が臨時休校になったために、当初予定していた汚れの原因を検証するパックテストは指導者自身で行った。結果、リン酸、亜硝酸窒素は検出されなかった。つまり、この時点で仁田川はきれいであったことがわかる。
- ・5月、第1回クラブ活動は、水質調査の演習と今後の活動の希望を調査した。水質調査は、毎月1回することを確認した。小学生には、仁田川、飼所川の地図を渡して、昔の仁田川の様子や川との思い出を調べるよう指示した。クラブでの活動については、小学生は主に魚を採ったり釣ったりする水生生物調査を希望していることがわかった。まず、水質調査の経験者が4名だったので説明をした。また、その後に、実際の仁田川(前川橋)、飼所川(赤橋)で採水した水を使い、演習を行う。水質調査をした際には、その結果から考察を行った。毎月、水質調査を行い、パックテストとその結果から考察するように確認をした。
- ・6月、水質調査と捕魚網を使って水生生物調査を行った。ゴクラクハゼ、チチブ、モクズガニ等を採り、水槽で飼育することにした。 また、昔の仁田川の聞き取り調査で、今では飼所川で採られているアユが30年前には仁田川にも飼所川にもいたこと、学校前の飼所川ではアユの他にウナギもいたこと、モクズガニについては仁田川以外の伊奈川にもいたことがわかった。小学生は、聞き取り調査により、昔の仁田川は現在よりも豊かな生物相が見られたことに気が付いた。
- ・7月、休み時間を利用して水質調査を行った。仁田川は集中豪雨によって泥水が流れていた。豪雨から3日後の水質調査だったので、その影響からか、仁田川のCOD値が高くなった。また、指導者に地域からアユが遡上しているとの一報が入り、仁田川上流でハミアトとアユの姿を確認した。
- ・8月、9月にアユ採りを計画していたので、地域の方々とアユの捕獲調査を行った。仁田川にも飼所川にも、アユがいることがわかった。
- ・9月、継続的に水質調査した飼所川赤橋付近で、アユの捕獲調査を行った。地域の方の協力により、投網と刺網で採ることができた。また、指導者は、仁田川、飼所川でアユの卵を見付け、産卵場所を特定することができた。その際、河川の水質を特定することができる指標種も見付けることができた。
- ・10月、飼所川で水生生物調査に行った。「川の生き物を調べよう」の生物写真をもとに、「Ⅰきれいな水」「Ⅱややきれいな水」の指標種を見付けることにした。小学生は、コオニヤンマとカゲロウの仲間と思われる個体を見付けることができた。
- ・11月、対馬市美津島町賀谷地区藻場保全組織の鎌田衛氏、対馬市島おこし協働体の高田陽氏、九州大学大学院工学研究院の清野聡子先生で遠隔交流授業を行った。小学生は、これまで調べたことをもとに本実践のテーマ「仁田川は清流か」について発表した。発表後の協議で、鎌田氏からは、昔の川遊びやアユとの思い出、高田氏からは水鳥の嘴の形状と餌との関係、清野先生からはアユの一生の3点について、感想や質問があり、小学生と議論した。その後、賀谷地区藻場保全組織の鎌田氏から賀谷地区沿岸の磯焼けと藻場保全に関わる取り組みを紹介していただいた。小学生は、これまでの調査から「仁田川については清流である」との主張をしたが、仁田沿岸の藻場状況はもちろん、魚類相の変化を含めた自然環境については、全く知識がもっていない。回遊魚であるアユとともに、仁田川から仁田地域沿岸へ、さらには仁田川の流域全体を含めた流域管理という新たな視点をこの遠隔授業から見出すことができた。
- ・1月、前回の遠隔授業を受けて、実際に仁田川河口に集まるカモ類を調査した。小学生は仁田川でも飼所川でも、嘴の尖ったダイサギ、アオサギ、カワセミ、カイツブリを見たことがあった。また、聞き取り調査から昔は仁田川中流から上流で見かけていたカモ類が河口の汽水域に集まることに課題意識をもっていた。そこで、野鳥の専門家である対馬市の高田氏に協力いただいた。実際に、マガモ、カルガモ、ヨシガモ、ヒドリガモといった嘴の平らなカモ類を観察し、藻類を捕食していることを説明された。この藻類がきれいな水に植生するか否かはさらに調査しないとわからないが、仁田川の生物多様性に気が付くきっかけとなった。
- ・2月は、仁田川汽水域での水生生物調査を行った。仁田川と飼所川の合流地点である。そこには、小学生が水辺で学習することができるよう「水辺の楽校」が整備されている。そこで、捕魚網でゴクラクハゼ、チチブ、マハゼの幼魚の他に、ヒナハゼやテナガエビを採ることができた。これらの水生生物を水鳥が捕食していることがわかった。これらも現在、教室で飼育している。
- ・3月、対馬市の域学連携事業による第6回対馬学フォーラム(リモート開催)が開催された。本フォーラムの児童発表で、クラブの小学生がこれまでの活動を発表した。本フォーラムの発表を通して、活動の様子が多くの参加者に見ていただくことができた。発表資料については、11月の遠隔授業で用いたものを小学生と再度話し合い、再校正したものである。
学習の効果
本活動に関わって、校区の瀬田地区の方々や対馬市行政担当者、賀谷地区藻場保全組織など地域の方々が、多数、関わってくださった。校区の方々と、共に、目の前の仁田川について調査できたことに意義がある。また、本実践が対馬学フォーラムという公共の場で発表したことにより、大多数の方々へ情報発信された。それで、新聞取材を受け、活動や発表の様子が新聞の地域誌面に掲載された。このようなことから、クラブの小学生の活動が地域へと情報が共有された効果は高いと思われる。
助成金の使途
- ・野鳥観察のための双眼鏡 25,740円(1,980円×13個)
- ・アユ捕獲用刺網及び投網 21,740円
- ・水質調査のためのパックテスト 8,640円(4,320円×2個)
奈良県橿原市立白橿北小学校
- 4年
- 社会・総合的な学習
- 教科単元名:「わたしたちのくらしと水」
学習のねらい
私たちの生活の中に欠かすことのできない「水」。使うだけでなく、使われた水が河川の水質改善や生活の環境に役立っている「下水道」について学びを深めていく。そして、この環境を絶やさないために私たちに何ができるのかをいろいろな体験をすることで考え、実践力を養う。
実施内容
- ① 水について(教科書を使って学習)
- ② 下水道の役割としくみについて(副読本を使って学習)
- ③ 橿原市の下水道について(副読本を使って学習)
- ④ 体験学習
管路管理総合研究所の出前授業を本校で実施
(内容)
- ・下水道の役割(下水管)
- ・下水処理施設の説明
- ・下水道を守るために自分たちにできること
- ・全国のマンホールの紹介
映像を見せていただきながら、説明をしていただいたので、子どもたちは、既習の知識をさらに深めることができた。ティッシュとトイレットペーパーのとけ方の実験をした。
【感想】
- ・水にトイレットペーパーはすぐ溶けたけれど、ティッシュが溶けないのでびっくりした。ティッシュをトイレに流してはいけないと勉強できた。
- ・トイレットペーパーがすごいと思った。
- ・下水道の流れを調べる機械がすごいと思った。
- ・下水道って大切な役割をしていることがよくわかった。
⑤理解・定着についての自己評価・相互評価(事後の感想文等)
- ・壁新聞づくり・ワークシート
学習したことをグループに分かれて、壁新聞作りをおこなった。 - ・発表会
学習したことをグループに分かれてまとめ、発表会をした。
⑥下水道いろいろコンクールに参加
3・4・5・6年生で習字部門に参加した。
⑦マンホールのふたを調べよう
地域によってマンホールのふたの図柄が違うことを知り、どんな絵がかいてあるのかなと、絵に興味を持って探していた。
橿原市の水道局の方に協力をしていただき、マンホールのカードをいただき、実際に見つけに行ったり、カードを見てどこで見つけたかを伝え合ったりした。
⑧学習したことをふりかえろう
『私たちができること』を考えて、発表し合った。その後、これを来年学習する3年生にも伝えようと、発表会をおこなった。
【感想】
- ・発表会をしたことで、下水道のことがよりよくわかった。
- ・友だちの発表を聞いて、下水道に流してはいけないことをもう一度確認できた。
- ・タブレットを使うと、動画を取り入れて発表することもできたので、みんなによくわかったと言ってもらえてうれしかった。
- ・ティッシュをトイレに流してはいけないことを改めて大切だなと思った。
- ・水ってとても大切にしないといけないと思った。
学習の効果
・ゲストティーチャーに来ていただいて、専門的な知識をわかりやすく子どもたちに伝えてくださったので、使った水がどこへいくのかについて、理解を深めることができた。
・学習したことをグループで模造紙にまとめ、掲示して懇談にこられる保護者へ見ていただいたり、来年度学習する3年生に向けて学習発表会を開いたりして、学習したことを更に他者へ伝えるところまで学習を深めることができた。そうすることで、自分たちの生活を見直すきっかけにもなった。
助成金の使途
- ・文具 35,070円 (コンクール材料費・壁新聞づくり文具等)
- ・タブレット1台 20,000円 (コンクール材料費・壁新聞づくり文具等)
- ・紙代 16,878円 (資料づくり・記録用) 他
神奈川県横浜市立富岡中学校
- 全学年(1年~3年)
- 教科名:部活動(科学部)
- 教科単元名:「海ゴミ問題」と「水環境保全」(下水道の市民科学)
学習のねらい
市民として、身のまわりの環境について、問題点を見いだす。
海ゴミ問題:海岸に漂流したマイクロプラスチックについて調査
川から海に排出するプラスチックについて調査
調査を通じ、プラスチックごみはどこから来たのかを推定し、海ゴミ問題と生活を関連付け、自分事として考察する。
水環境保全:川の水質調査により河川環境の実態を把握し、水環境の保全について考え、地域の市民に向けて発信する。
実施内容
2018年度以前に、近隣の川の環境悪化の着目し、水質調査を始めた。川の水質調査を定期的に行う中で、プラスチックごみの存在に気づき、調査研究を始めた。水環境を調査する中で、下水道局の下水道の役割、働きに着目し、施設見学を行い、下水道環境についての学びを始めていた。
2019年度は、
-
1)大岡川の水質調査(本校近くの磯子区氷取沢町の大岡川上流での調査)
①COD
②pH -
2)マイクロプラスチックの現状調査
①野島海岸での調査
②大岡川下流域での調査 -
3)施設見学・室内分析
①下水道処理施設見学
②本校実験室にてゴミの比重実験・劣化試験 -
4)海ゴミ(プラスチックごみ)問題と下水道、生活排水について考察する。
①下水道処理施設見学
②本校実験室にてゴミの比重実験・劣化試験
学習の効果
生活の中のごみが川から海に流れていき、水循環の中で、プラスチックごみになっていくことに気づくことができた。その中で、下水道処理施設の中のプラスチックごみの存在にも気づき、生活の中で改善していけることを体感することができた。この学びを家族・地域に発信し、プラスチックとは何か。そして、プラスチックを自分たちで、作ってみること。どのように劣化し、マイクロプラスチックに変わっていくのを研究していくことで、学びをふかめようという課題も見つけることができた。
助成金の使途
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・外部指導の謝礼 10000円×4回
(野島海岸・大岡川・下水道処理施設・室内分析・事前打ち合わせ等) - ・パックテスト等薬品 34485円
新潟県小千谷市立南小学校
- 実施学年:4年
- 教科名:社会 総合
- 教科単元名:社会「水はどこから」 総合「信濃川」
学習のねらい
- ・自分たちが住む信濃川中流域に加え、下流域を訪問・見学することによって、川と関連する水の様子と新潟県の様子について理解を深め、社会科と総合的な学習の活動をより充実させる。
実施内容
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・長岡浄化センターの施設見学
小千谷市の水も運ばれている浄化センターを見学し、自分たちが使用した水がどうなるのかを学習しました。これまでに学習していた浄水場との関係や信濃川との関わりを知ることができました。下水を川に返すまでに行う作業やその施設、働く人のことなど、施設の方から話を伺った後、施設内を案内していただきました。訪問しなければ分からない、施設の大きさや下水のにおいなどを感じていました。 -
・みなとぴあ(新潟市博物館)見学
ミニシアターで上映された「新潟・水の記憶」では、信濃川を中心に発展してきた新潟市の歴史を学びました。常設展では、歴史に加えて現在の信濃川の様子も詳しく知ることができました。海岸にはたくさんのごみが流れ着くこと、川の水の汚染が問題となっていることも展示で確認できました。 -
・新潟県庁の施設見学
県庁の展望室から、新潟市の全景を説明していただきました。信濃川の河口や新潟市の街並みを見て、自分たちの住む地域と比較をすることができました。川幅が広く、流れが穏やかで、海運に関わる施設があるなど、中流域の信濃川の様子とは違う点を実感していました。
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・事後学習
上下水道について施設見学を通して学んだことをポスターにしてまとめ、小さくして印刷した物を冊子にしました(写真F)。水が循環していることを実感した児童は、「発信!信濃川 ~水の一生~」というタイトルを付けました。中・下流域を中心に、信濃川の水がどのように進んでいくのかが分かるポスターとなりました。
学習の効果
県の様子をまとめた教材や、インターネットの活用によって、授業で活用できる資料は十分にある。しかし、実感を伴った理解をするためには、見学や体験がとても重要である。今回の助成によって、遠方への訪問が実現し、子どもたちの学習がより実感を伴ったものになった。
助成金の使途
- ・借り上げバス 73,480円
- ・模造紙 2,068円
- ・ペン 3,696円
北海道札幌市立米里小学校
- 実施学年:4年
- 教科名:社会科
- 下水のしょりと利用
学習のねらい
札幌市の人々の生活にとって必要な下水の処理と、自分たちの生活や産業に関わる対策や事業は、計画的・協力的に進められており、人々の健康な生活や良好な生活環境の維持と向上に役立っていることを考えられるようにする。そのために、下水処理施設である、札幌市下水道科学館と札幌市創成川水再生プラザ、札幌市東部スラッジセンターの見学を行う。下水が処理される様子を100%見学することで、学習内容の理解を確かなものとしていく。
実施内容
- ・今年度4年生社会科の学習では、「生活用水はどこから来てどこへ行くのか」という学習問題を設定し、大単元構成で授業を実施した。後半部分の水はどこへ行くのかという下水処理の単元に入る際、本校区には、下水処理場が2カ所、さらにポンプ場、汚泥処理施設があることを伝え、札幌市内で最も下水処理に関係の深い地域であると捉え、興味をもって学習に取り組めるようにした。
- ・学習を進める上で、下水処理の行程を実際に観ることができるように下水処理施設「水再生プラザ」と汚泥処理施設「スラッジセンター」双方を見学できるように計画を立てた。その際、札幌市内で水再生プラザを見学できるのは、小学生の見学施設である「下水道科学館」が設置している市内北部の「創成川水再生プラザ」1カ所であった。そのため、校区内にある「豊平川水再生プラザ」「東部水再生プラザ」と同じ仕組みであると踏まえた上で、「創成川水再生プラザ」の見学を実施し、その日の午後に校区にある汚泥処理施設「東部スラッジセンター」の見学を実施した。
- ・下水道科学館では、水再生プラザの見学はもちろんのこと、VTRで水がきれいになる様子を目で見たり、下水処理行程の実物大モデルの中を通ってその大きさを体験したりすることができた。
- ・東部スラッジセンターでは、下水処理後に生み出される汚泥がどのようなものであるのか、どのように処理されているのかを学んだ。市内10か所の水再生プラザで出された汚泥が東西2か所のスラッジセンターで100%無害な形となって処理されている様子を学ぶことができた。汚泥の実物を見て匂いをかいでその汚れを感じた上で、大きな炉で焼却されていることを実感することができた。また、処分された後の焼却灰を見て、それらがセメントの原料、レンガとして処分後リサイクルされていることを知り、下水が100%再利用されている様子を捉えることができた。
- ・学習の最後には、下水処理をテーマに新聞を書き、第59回下水道の日「下水道いろいろコンクール」に新聞部門で応募した。これまでの学習を踏まえ、学んだ知識と自分の考えをまとめることができた。
学習の効果
下水処理の様子を見学できるところが市内に1か所のみである中で、遠方であってもバスを利用して見学に行けたことは下水処理に対する理解を大きく深めるのにつながった。この施設の見学なしには、校区内にある下水処理施設がただの建物としか見られなかったであろう。また、校区内にある汚泥処理施設については、学校が見学に来ること自体珍しいとのことであった。しかし、施設の方々は子どもへの理解を深めることが下水処理・環境問題への関心を高めることや地域住民への理解を深めることにつながるとして積極的に受け入れてくださった。子どもはこうした思いに触れ、下水処理が循環型社会の実現に貢献していることを実感できた。
助成金の使途
- ・施設見学のバス代 100,000円(不足分は徴収)