学習指導案
下水道を小学校の教材として活用して頂くために、小学校における理科や社会などの単元を対象とした小学校教員の皆様に向けた学習指導案を用意させて頂きました。
より効果的で実効性のある学習指導案を作成するためには、小学校の教員の方々と下水道行政担当者がお互いに議論し、学習指導案等を作り上げていくことが効果的です。
そのため、下水道関係者と小学校の教員からなる学習指導案作成ワーキンググループを設置し、全国の小学校の教員の皆さんが理科や社会などの単元の授業で活用することができる学習指導案を作成しております。是非ご活用ください。
学習指導案
「下水道」を活用した小学校高学年向けの学習指導案です。
「下水道」という素材を取り入れることで、単元の内容を従来とは違った視点から学習することができます。
表に示す単元の中で利用できる「1時間(45分)完結型」の指導案です。
社会
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3、4年生
- わたしたちの生活と下水道
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・下水処理の施設や仕組みの必要性、重要性を理解し、日常の生活と下水道とのかかわりを考える
・日常生活において、水を汚さないための工夫を考える
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活用可能な単元
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「飲料水、電気、ガスの確保や廃棄物の処理」の学習
- 雨水のゆくえ
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・下水道に流れ込む雨水の行方を知る
・下水道施設が快適な都市づくりに役立っていることを知る
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活用可能な単元
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住みよいくらし
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5年生
- 川を守る下水道
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・下水道と下水道を支える人々によって川が守られていることを理解する
・水環境保全に対する意欲を高める
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活用可能な単元
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わたしたちの生活と環境
理科
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5年生
- 「たんじょうのふしぎ」(めだかの食べ物:水中の小さな生物について)
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・顕微鏡などを使って水中の小さな生き物を観察・記録する
・下水処理場では、微生物を利用し、水をきれいにして川に流している取り組みをしていることを理解する
・川の環境を守るために、下水処理場が必要な施設であることを理解する
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活用可能な単元
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たんじょうのふしぎ
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6年生
- わたしたちの生活と酸性・アルカリ性の水溶液
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・身の回りの自然や自分たちの日常生活の中に、酸性やアルカリ性の性質をもつ物質が数多く存在していることを理解する
・これらの物質が、水質に影響を与えていることを理解し、環境への負荷に留意した生活について考える
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活用可能な単元
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水溶液の性質(発展的な内容として、「中和」を含む)
- 人の体のつくりと働き(呼吸)
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・水中の生き物も呼吸をするために酸素を必要としていることを理解し、生き物の呼吸が身の回りの環境や生活に影響を与えていることを知る
・水の汚れがひどくなると水中の酸素が減少して赤潮など環境への影響が出ることを知る
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活用可能な単元
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人の体のつくりと働き(発展)
- 下水道と水の循環
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・下水道について話し合ったり、資料などを活用したりしながら未来の水循環について理解する
・水資源の循環について理解し、環境保全に主体的に取り組もうとする態度を育成する
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活用可能な単元
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生物と環境~下水道と水の循環~
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電気の利用
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下水処理場での電気の利用について調べ、発電や省エネルギーなど環境に配慮して電力の活用・再生が行われていることを理解する
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活用可能な単元
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「電気は、つくりだしたり蓄えたりすることができる」
「身の回りには、電気の性質や働きを利用した道具がある」
家庭科
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5、6年生
- 環境に配慮した生活の工夫(下水道を取り入れた学習)
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・調理における排水が環境にどのように影響するか知る
・汚れた水の望ましい始末の仕方や、水環境をよりよくするためにできる工夫を考える
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活用可能な単元
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環境に配慮した生活の工夫
- 衣服の着用と手入れ
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・洗濯排水が、下水道管を通って下水処理場で処理されることを学習する
・水環境に対しての影響を考えながら、適量の洗剤を使って洗濯をする
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活用可能な単元
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つくろう!さわやかな生活(衣服の手入れをしよう)
算数
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4年生
- 汚した水の量、きれいにする水の量
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・「私たちが汚した水の量」や、「下水処理場に送られる水の量の変化」等を、資料をもとに棒グラフや折れ線グラフに表したり、それぞれのグラフから特徴や変化のようすを読み取る
・資料やグラフから、自分の生活を振り返り、下水処理場の必要性や役割を知る
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活用可能な単元
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折れ線グラフと表
参考資料一覧
※東京都下水道局トップページにリンクしています。
※宮城教育大学 環境教育実践研究センター マイクロバイオ・ワールド データベース作成プロジェクトの「水中微小生物図鑑」に直接リンクしています。
授業に利用できるその他の参考資料
[千葉市教育センター]
「単元4 健康なくらしをささえる」にある「じょうかセンターを調べてみよう」では 下水処理場の仕組みがわかりやすく解説されています。
[財団法人 河川環境管理財団]
水や水資源に対する認識・知識・理解を深め、責任感を促すことを目標として開発された「水」に関する教育プログラムです。
ワーキンググループ名簿
板橋区 教育委員会 指導室 指導主事
小池 木綿子